MT4のナビゲーターに入っているインジケーター【Moving Average】は
日本語では【移動平均線】と呼ばれるもので、数あるインジケーターの中でも、最強のインジケーターです。
MT4のインジケーターは学習しなければ使えません。
これからFXを勉強するなら、MT4に入っているインジケーターの中でも
まずは世界中の人が見ているこの最強インジケーターから始めましょう!
この記事では、トレードに欠かせない代表的なインジケーターのひとつ、
【移動平均線】について世界一分かりやすく解説します。
最強のインジケーター!移動平均線とは
この記事でご紹介するインジケーター【移動平均線】は
ウォール街の著名な株式アナリスト、ジョセフ・グランビル氏が考案したとされています。
上のチャートはMT4のチャートに4種類の移動平均線を表示したものです。
このように、移動平均線を表示すると、ローソク足の上か下、あるいは重なる形で線が表示されます。
そして、この線は世界中のトレーダーから意識されています。
まずは移動平均線が何を意味しているかを分かりやすく解説します。
移動平均線は売り買いどちらが強いかの境界線
移動平均線とは、簡単に言えば【ある期間の価格平均の値をつなげて線にして表現されたもの】です。
たとえば、上の日足チャートに20日移動平均線を表示するということは、
〇で囲んだ足からで言うと、20本前からの20日間(四角でかこんだ期間)の平均価格を表示することになります。
一本のローソク足が出来るごとに、平均する価格は一本分前進するので、平均値は時間の経過とともに移動し
その軌跡が一本のラインとして表現されます。
また、日足チャートに表示すれば20日間の平均価格がローソク足を追いかけるように表示されますが、
1時間足チャートに表示すると、20時間の平均価格。5分足に表示すると、100分間の平均価格を表示することになります。
つまり、20本移動平均線はローソク足20本分の平均価格を表示するということです。
5日移動平均線の場合は、ローソク足5本分の平均価格をグラフ化したもの。
75日移動平均線の場合は、ローソク足75本分の平均価格をグラフ化したもの。
という具合に、現在のローソク足から○○本さかのぼって、
その平均を表現しているのが○○日移動平均線と呼ばれるものと解釈すると分かりやすいです。
移動平均線は、境界線です。
この境界線より上にローソク足があり、そこを上向きに推移している時は、買ってる人は得してる確率が高いです。
逆にこの時に売っている人は損してる確率が高いといえます。
平均値がなぜそんなに必要なの?
なぜ、世界中のトレーダーがFXで取引をするときに、この決まった期間の平均値を重要視するのでしょう。
それは、前にお話しした通り、売りと買いの優劣が決まる境界線だからです。
また、直近のある指定した期間の平均値と現在価格がどのくらい違うのかを見ることで、
今の価格が高すぎるのか、安すぎるのか、買うべきなのか、売るべきなのかを判断材料にもなります。
お金の強弱は難しいので、ここでは物の価値の変動を例にあげます。
たとえば、近所の八百屋で玉ねぎを買いに行くとします。
ひと月前は3個で300円だった玉ねぎが、現在は600円になっています。
これ、随分価格が上がっているなぁと消費者であれば感じますよね。
そうすると、今度は家のポストに入ってくるチラシの玉ねぎの価格が気になりませんか?
どこで買ったら安いのか?とか、前月と比較したら倍の価格になっているけど、先週と比べたら100円ほど価格が下がっているとか。
そうやって、野菜の値段がいつもよりも上がってしまったら、
みなさんも「え?なんで?どうして?どこならお得に買える?」と考えるはずです。
逆に、玉ねぎを売っている業者側も、他の業者はいくらぐらいで売っているのか、とか
一週間前の仕入れ値と現在の仕入れ価格はどのくらいの差があるのか、とか。
前年比とか。今のマーケットの価格を考慮しながら、価格を決めますよね。
FXは「モノ」を売り買いして利益を得るのではなく、通貨を交換する時の差益が利益になるので
少し、玉ねぎのたとえとは違ってくるのですが、移動平均線に対する考え方は同じです。
今の価格が過去の特定の期間内の平均値より高いのか安いのか、近いのか離れているのか。
今、買い時なのか、売り時なのかを判断するためにトレーダーは平均値を意識しています。
世界一わかりやすい!移動平均線の計算方法
前章までで、移動平均線がどのような役割をしているのか、ざっくりと理解していただけたと思います。
なるほど。移動平均線は、直近のある期間の平均値を表示してるんだ!
価格が線より上なら平均値より高いってことになるし、線より下なら安いってことか!
ということが何となくわかってもらえればOKです。
この章では更に、この移動平均線の計算方法について解説していきます。
この移動平均線の計算方法ですが、計算式だけをみると初心者の方の中には拒否反応が出てしまうくらい、難しく見えてしまうかもしれません。
しかし、原理さえ知ってしまえば、意外と簡単なんです。
ここでは世界一わかりやすく移動平均線の計算方法をお話します。
移動平均線は終値を足して割るだけ
移動平均線は決めた数のローソク足の終値を足して、それをローソク足の数で割るだけです。
たとえば、玉ねぎ。
5日前は1個100円。4日前は1個105円。3日前は130円。2日前は1個200円。1日前は1個170円だったとします。
この価格は全て終値です。
すると、(100+105+130+200+170)÷5=705÷5=141円
となるので、この1週間の玉ねぎ1個の平均価格は141円となります。
たとえば、この週に240円の玉ねぎを買っていたとしたら、市場の平均値よりも高い玉ねぎを買ったことになりますね。
逆に98円の玉ねぎを買っていたとしたら随分安い玉ねぎが買えたことになります。
移動平均線は、知りたい期間のローソク足のそれぞれの終値をたし、
そのたしたローソク足の本数で割った値だと考えればわかりやすいです。
テクニカル分析で使われやすい移動平均線の種類
この最強インジケーター【移動平均線】は、実は4種類の平均線があります。
この種類は、要するに計算方法が違うということなのですが、
まずは最も使われる2種類の移動平均線についてご紹介します。
単純移動平均線(SMA)
移動平均線は視覚的に相場の流れが分かりやすいということが最大の魅力です。
単純移動平均線は、移動平均線の中でも一番シンプルな方法で平均値を出しているので、世界中のトレーダーが注目しています。
例えば、見ているチャートが日足のチャートだとして、
20本のローソク足の終値を機械的に足し、その数を20で割った値を平均値として表示します。
ローソク足一本につき、常にその足から20本の終値を足して20で割った値が表現されるので
前後の値をつなげて線にすると、なめらかなカーブを描く一本の線が出来上がります。
ローソク足が一本出来るごとに、その線は長くなっていくので、ローソク足に沿って線もチャート上に描写されます。
単純移動平均線は、直近の価格と過去の価格を平等に扱って計算をするので、
ローソク足の値動きよりもずっとなめらかで方向感がわかりやすく表示される特徴があります。
指数平滑移動平均線(EMA)
単純移動平均線よりも更に現在の値動きを反映させた線を描写させる計算式で描かれた平均線が指数平滑移動平均線です。
意図していることは単純移動平均線と同じで、相場の流れを視覚的に分かりやすくするためのインジケーターであり、計算式で求められた数値をチャートに表示します。
単純移動平均線との違いは、直近の価格を重視している点です。
具体的には、過去のそれぞれの終値は一本前のEMAの価格で代用し、
本日の終値の価格を2倍にして計算をするところが単純移動平均線との大きな違いです。
本日価格を2倍にするので、EMAの場合は、指定する期間+1で足した価格を割った数値が平均値として扱われます。
これにより、直近の価格の影響力を強めることになるので、指数平滑移動平均線はよりローソク足に寄り添うような波を描くことになります。
数式は以下になります。
8本指数平滑移動平均線の場合
前日のEMAの値をEMAyとして、本日の価格をAとすると、
( EMAy×7+A×2 )÷ 9 = 8EMA となります。
数式だけを見ると分からない!と焦る方もいらっしゃるかもしれませんが、
平均値の出し方が単純移動平均線よりも、現在価格を尊重して変形させていると考えていただければ分かりやすいです。
自分で平均値を計算するのではなく、実際にはMT4などのチャートソフトでパラメーター(期間)設定をすると自動的に表示されるだけなので、計算が出来なくてもOKです。
EMAはSMAよりも、ローソク足の動きに敏感に反応し、少しだけ複雑なカーブを描く(急角度になりやすかったり、ぐじゃぐじゃと入り組んだラインになりやすい)と覚えてもらえれば大丈夫です。
まとめ|移動平均線は一目で売り買いどっちが強いかが分かるのがすごい!
この記事では、移動平均線がなんで最強なインジケーターなのかについて一番知ってほしいことを解説しました。
移動平均線のなにがすごいか。
それは、一目で現在価格が売り優勢の位置にあるのか、それとも買い優勢の位置にあるのか。
はたまた、どちらでもないのかが分かってしまうところです。
もちろん、移動平均線だけでテクニカル分析をするということはないのですが、
移動平均線は理解して使うことが出来るようになれば、強力な武器になります。
このことを理解した上で、更に移動平均線について学びたい方は以下の記事も是非読んでみてください。
移動平均線が世界中のトレーダーに愛用される理由がきっとわかるはずです。
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